3月 24日, 2008年

飲食店が席を敢えて満席にせずに外で客を待たせる利点

Filed under: どうでも良いこと — cod_tara @ 12:17 am

 先日、東山花灯路に行ってきた。その帰りに、四条河原町の鎌倉パスタで夕食をとったのだが、そこで興味深い現象に出くわした。

 筆者が鎌倉パスタについた時点で、店の外には5組の街がありました。「今日は生麺のパスタを食べるぞ!」ということで意気込んでいったので、当然待つことにしました。20分ほど待って入店。と、そこで気になったのが、比較的目立つ空席の数です。

 ホールスタッフにも、どうぞお好きな席にお座りくださいと笑顔で応対されたので、とりあえず席に着きました。店の外でメニューを手渡され、すでに注文するメニューは決めていたので、すぐに注文をして、パスタが来るまでが約10分。席に着いてからは、パーソナルスペースも十分に確保できた状態で、ストレス無く食事を済ませることができました。そういえば、以前大阪で鎌倉パスタにいったときも空席があったな・・・。

 ここで疑問に思ったのが、「空席があるにもかかわらず、なぜ、満席になるまでクライアントを店内に入れないのか。」、ということです。飲食店のキャパシティには、空間的キャパシティ、つまり、ホールに収容できる人数のキャパシティと、処理能力的キャパシティ、つまり、キッチンスタッフが単位時間に処理できるオーダー数のキャパシティの二つが存在すると考えられます。

 統計学的な根拠があるわけではありませんが、この二つのキャパシティのうちで大きいのは、往々にして前者の空間的キャパシティの方の場合が多いのではないかと思います。

 この、空間的キャパシティいっぱいまでクライアントを収容する利点は何でしょうか?それは、単位時間あたりの売り上げが伸びることにあると思います。ピーク時において、キッチンスタッフは常にフル稼働で働き、次から次へと矢継ぎ早に繰り出される注文に間髪入れず、迅速なスピードで対応し続けることで、一時の売り上げは向上するかもしれません。

 が、同時に、クレーム発生率の上昇を招くというリスクを背負っているのでは無いでしょうか?厨房のキャパシティを超えてオーダーが行われた場合、未解決オーダーの蓄積と共に、オーダー発生時から料理が提供されるまでに時間は増加の一途をたどります。自分の処理できる能力を超えて、消化しなければならない仕事が発生した場合には、ミステイクを犯す可能性が上昇することは言うまでもありません。

 また、オーダーから料理が提供されるまでの時間が長くなることで、結果的にクライアントの回転率は低下し、店内外における待ち時間を増やしてしまうことになります。当然クライアントの評価が下がる可能性をはらんでいると考えて良いでしょう。

 しかし、空間的キャパシティよりも処理能力的キャパシティに合わせてクライアントを店内に案内した場合は、また違った結果になります。一見、スペースを余らせることで収益性が低下するように思えるかもしれませんが、厨房の遊び時間を作らない様なペースでクライアントを招き入れることで、単位時間あたりに提供される料理の個数は減少することがありません。

 今回訪れた、パスタ店などの場合は、外に並んでいる間にオーダーするメニューが決定してしまうことが多いと考えられるので、着席から注文までの時間がほぼゼロであるという風に考えると、厨房の様子を見ながらクライアントを招き入れることも可能です。

 この方法を採用すると、クライアント側はまず、自分の好みの席を選択することができるようになります。また、厨房のキャパシティー内、なおかつ一定のペースで料理のオーダーが出されるため、「待ち時間最小、稼働率最大」の状況を継続させることが可能です。さらには、店舗外に列ができるという状況が発生しやすいため、付近を通りがかった人に「この店は流行っているんだ。」というイメージを植え付けやすいです。

 また、満席にする方法を用いて、満席にしない方法と同様の回転率を実現できたとしても、着席後からの待ち時間でクライアントの心証は大きく変わると思われます。

 たとえば、トータルの待ち時間が30分だった場合を考えてください。外で10分待たされて、着席。オーダーしてから20分間料理がこない場合と、外で20分間待って着席、オーダーして10分後に料理がくる場合では、後者の方が圧倒的にストレスを感じる時間が短いと考えられます。

 外で列に並んだ時点で、一部の例外を除いてそのクライアントの入店はほぼ確定したと考えて良いでしょう。外で列に並んでいる間にメニューを手渡せば、クライアントはメニューを選択するという行動を取りながら待ち時間を消化することが可能です。

 しかし、オーダー後からの待ち時間が長くなった場合、メニュー選択はすでに終了しているため、「何もせずに待つ時間」が増加してしまうのです。同じ30分の待ち時間なのに、仕事が早いか遅いかの感じ方が大きく変わってしまうと考えられます。つまり、トータルの待ち時間が一緒の場合、オーダー後の待ち時間を短縮することで体感的な待ち時間を短縮することが可能なのです。

 まとめると、

  • クレーム発生のリスク回避
  • 行列による宣伝効果
  • 体感待ち時間の短縮

 という3つの利点から、鎌倉パスタは空席があるにもかかわらず、外にクライアントを待たせているのだという、勝手な分析をしてみました。つっこみどころも結構あるかと思うので、じゃんじゃん突っこんでください。

Comments and TrackBacks

コメント (1) »

  1. 一理ある。が、満席でないのに外で待たされている客からクレームが来ることは必至だな。
    うちの店はほぼ満席になるまで客を入れるけど、ホールの人のキャパを超えるようなら奥の席は使わないな。

    コメント by brossom — 3月 25日, 2008年 @ 6:52 pm

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